ふたごべや イラストレーター・デザイナー

【読書日記】「空洞のなかみ」|松重 豊(著)を読みました

物書き松重豊、誕生!
軽妙洒脱な筆致で描かれる演者の心象風景。
連作短編小説12編+エッセイ25編を収録

「あ、そや、空っぽとな、無、ちゅうのは違うもんなんやで」
そう言って老人は烏丸御池のバス停で降りて行った。
二つの言葉がぐるぐる回る。
あの日からか、自分の仕事が分からなくなった。
(『愚者譫言』プロローグ 「バスの中」より)

松重豊さんが大好きです。
外見も好きだし、何より纏う雰囲気が本当に好き。内側から出てくるオーラみたいなもの。
そんな松重さんの初の書籍となれば、買わない手はない!

読んでみると、思っていた以上に笑いに溢れている作品でした。じわじわ笑えて面白い。
丁寧だけど乱暴で、ユーモアがあるけど大人で、すごく味がある文章。
読みながら、あぁきっと、優しさ・真面目さ・男らしさ・ユーモア・不真面目さのバランスが最高だから魅力的なんだ!と勝手に考えていました。

短編小説はまさに、松重さんワールド。松重さんのユニークな役者目線の妄想がすごく楽しかった!
聞きなれない言葉や難しい言葉もあったけど、そこも松重さんの言葉選びのセンス。
だからこそ深く浸れる楽しい作品になっている気がする。

エッセイでは役者さんが撮影時にどんなことを考えているのか、舞台裏のエピソード、私生活の部分まで覗けるので、すごく嬉しい。
松重さんの知らないほんの一部を知ることができた喜び...(気持ち悪い)

そういえばYouTubeで朗読動画を配信されていましたね。
観てみよう。

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